福島県立高校入試の数学を高校数学で解く

2023年第3問(1)

求める確率は、$\dfrac{(3^2-3)\div2}{3^2}=\dfrac{1}{3}$である。

ルール(ア)において、Aが景品をもらえない確率は、$\dfrac{2}{3}$である。

ルール(イ)において、Aが景品をもらえない確率は、$\dfrac{3\times 2 \div 2}{3\times 2}=\dfrac{1}{2}$である。

2022年第3問(1)

$b=-2$である。このとき、$c=2a-4$であるから、$(a,c)=(3,4),(5,6)$である。

$b=2$のとき、$ab+c > 0$である。

$b=-2$のとき、$c > 2a$となればよい。つまり、$(a,c)=(1,4),(1,6)$である。

よって、求める確率は、$\dfrac{3\times 3+2}{3\times 2 \times 3}=\dfrac{11}{18}$となる。

2021年第3問(1)

$1 \leqq a \leqq 4$である。

整数$k$は、次の2式を満たすものとする。 \[\begin{cases} 0 \leqq k \leqq 4&\\ 2a +b \equiv k &\pmod 5 \end{cases}\]

仮に、$1\leqq b \leqq 5$とすると、任意の$a$に対し、$b$と$k$は1対1に対応する。$b$は5つの異なる値をとるから、任意の$a$に対し、$k$は$0$以上$4$以下の全ての整数になりうる。

$b=1$とすると、\[(a,k)=(1,3),(2,0),(3,2),(4,4)\]である。

よって、$2\leqq b \leqq 5$とすると、$k=1$のとき、任意の$a$に対し$b$が1つずつ存在する。また、$k\neq 1$のとき、任意の$k$に対し、合同式が成立しない$a$がただ1つ(ずつ)存在する。

したがって、$k$に対応する$(a,b)$の組の個数を$f(k)$とすると、\[\begin{aligned} f(k) = \begin{cases} 4 &(k=1) \\ 3 &(k\neq 1) \end{cases} \end{aligned}\]となる。

結局、①は3通り、②は$\dfrac{1}{4}$である。

2020年第5問

$\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec{b}$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}}=\vec{c}$とする。

次の2式が成り立つ。 \[\overrightarrow{\mathrm{AD}}=\dfrac{2\vec{b}+\vec{c}}{3}\] \[\overrightarrow{\mathrm{AE}}=\dfrac{\vec{b}+2\vec{c}}{3}\]

また、$\mathrm{EF}=\dfrac{1}{3}\mathrm{BA}$であるから、$\overrightarrow{\mathrm{EF}}=-\dfrac{1}{3}\vec{b}$である。よって、\[\begin{aligned} &\overrightarrow{\mathrm{EG}}=-\vec{b}\\ \iff&\overrightarrow{\mathrm{AG}}=-\vec{b}+\overrightarrow{\mathrm{AE}}=\dfrac{-2\vec{b}+2\vec{c}}{3}\\ \iff&\overrightarrow{\mathrm{AD}}+\overrightarrow{\mathrm{AG}}=\vec{c} \end{aligned}\]となる。

3点A、D、Gが同一直線上にないので、四角形ADCGは平行四辺形である。

2020年第7問(3)

算数に限定した解き方

Gを原点とし、直線GFを$x$軸、直線GHを$y$軸、直線GCを$z$軸として、座標空間を設定する。そして、点Fは$(4\sqrt{2},0,0)$、点Hは$(0,4\sqrt{2},0)$、点Cは$(0,0,6)$と表されるものとする。

点Sと平面PFHQの距離を求める。

Rは$(2\sqrt{2},2\sqrt{2},0)$であり、Sは$(\sqrt{2},\sqrt{2},3)$である。

解1

平面PFHQの方程式を$(x-4\sqrt{2})+ay+bz=0$とする。この平面は、点H$(0,4\sqrt{2},0)$と点P$(4\sqrt{2},2\sqrt{2},6)$を含む。よって、$(a,b)=\left(1,-\dfrac{\sqrt{2}}{3}\right)$となる。

平面PFHQの方程式は、$3x+3y-\sqrt{2}z=12\sqrt{2}$である。

よって、点Sと平面PFHQの距離は、\[\begin{aligned} &\dfrac{|3\sqrt{2}+3\sqrt{2}-3\sqrt{2}-12\sqrt{2}|}{\sqrt{9+9+2}}\\ =&\frac{9}{\sqrt{10}} \end{aligned}\]となる。

解2

平面PFHQの方程式は、$3x+3y-\sqrt{2}z=12\sqrt{2}$である。

よって、この平面の法線ベクトル(の1つ)は$(3,3,-\sqrt{2})$である。

Sを通り平面PFHQに対する垂線と平面PFHQとの交点をTとする。ある実数$t$が存在し、次の式が成り立つ。 \[\begin{aligned} \overrightarrow{\mathrm{ST}}&=t(3,3,-\sqrt{2})\\ &=(3t,3t,-\sqrt{2}t)\\ \iff \overrightarrow{\mathrm{GT}}&=(3t+\sqrt{2},3t+\sqrt{2},-\sqrt{2}t+3) \end{aligned}\]

$(x,y,z)=(3t+\sqrt{2},3t+\sqrt{2},-\sqrt{2}t+3)$を平面PFHQの方程式に代入し、 \[\begin{aligned} &3(3t+\sqrt{2})+3(3t+\sqrt{2})-\sqrt{2}(-\sqrt{2}t+3)=12\sqrt{2}\\ \iff&t=\frac{9\sqrt{2}}{20} \end{aligned}\]となる。

よって、\[\begin{aligned} &\left|\overrightarrow{\mathrm{ST}}\right|=\frac{9\sqrt{2}}{20}|(3,3,-\sqrt{2})|\\ =&\frac{9}{\sqrt{10}}\\ \end{aligned}\]となる。

2019年第7問

算数に限定した解き方

$\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec{a}$、$\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec{b}$、$\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec{c}$とする。

(2)①

正四面体の展開図のうち、$\triangle$OABと$\triangle$OBCが辺OBでつながっているものを考える。この展開図を含む平面上で、$\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec{a’}$、$\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec{c’}$とする。

四角形OABCが平行四辺形であるから、$\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec{a’}+\vec{c’}$である。したがって、 $\overrightarrow{\mathrm{OM}}=\dfrac{\overrightarrow{\mathrm{OB}}+\vec{c’}}{2}=\dfrac{\vec{a’}+2\vec{c’}}{2}$ である。

点Rは、線分OM上にある。したがって、$0\leqq t\leqq 1$のある$t$に対し、$\overrightarrow{\mathrm{OR}}=\dfrac{t}{2}\left(\vec{a’}+2\vec{c’}\right)=\dfrac{t}{2}\vec{a’}+2t\overrightarrow{\mathrm{OD}}$である。

Rは、直線AD上にあるから、 \[\begin{aligned} &\dfrac{t}{2}+2t=1 \\ \iff& t=\dfrac{2}{5}\\ \iff& \mathrm{OR}:\mathrm{RM}=2:3 \end{aligned}\]である。

(実際には、線分DMを引きます。)

(2)②

正四面体OABCを含む空間において、2点A、Rは、平面OAMと平面ADEに含まれる。よって、平面OAMと平面ADEの交線は、直線ARとなる。

また、2点O、Pが平面OAM上にあるから、直線OPは平面OAMに含まれる。よって、点Qは、平面OAMと平面ADEに含まれる。つまり、点Qは、直線AR上にある。

結局、点Qは、直線ARと直線OPの交点である。

$\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\dfrac{5}{9}\vec{a}+\dfrac{4}{9}\overrightarrow{\mathrm{OM}}$であるから、ある実数$q$に対し、 \[\begin{aligned} \overrightarrow{\mathrm{OQ}}=&q\overrightarrow{\mathrm{OP}}\\ =&\dfrac{5q}{9}\vec{a}+\dfrac{10q}{9}\overrightarrow{\mathrm{OR}}\\ \end{aligned}\]となる。

したがって、\[\begin{aligned} &\dfrac{5q}{9}+\dfrac{10q}{9}=1\\ \iff&q=\dfrac{3}{5}\\ \iff&\mathrm{OQ}:\mathrm{QP}=3:2 \end{aligned}\]である。

Oから平面ABCに対する垂線と平面ABCとの交点をGとすると、Gは$\triangle$ABCの重心である。よって、\[\begin{aligned} |\overrightarrow{\mathrm{OG}}|=&\dfrac{1}{3}|\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}|\\ =&4\sqrt{6}\\ \end{aligned}\]となる。

結局、求める体積は、\[\begin{aligned} &\dfrac{1}{3}\times \left(\frac{1}{2}\times 12 \times 12\sin60^{\circ}\right)\times 4\sqrt{6} \times \frac{5}{9}\times \dfrac{2}{5}\\ =&32\sqrt{2}(\mathrm{cm}^3)\\ \end{aligned}\]である。

(実際には、平面OAM上で、Rを通りOPに平行な線分を引きます。)

2015年第3問(2)

操作(イ)では、白い碁石の個数が$\pm 1$個増える。したがって、操作(ア)では、白い碁石の個数が2個または4個となればよい。

(ア)で2個となるとき、大きいサイコロの目が素数であり、小さいサイコロの目がその素数の約数でなければよい。また、(ア)で4個となるとき、大きいサイコロの目が6であり、小さいサイコロの目が6の約数であればよい。

求める確率は、$\dfrac{1}{2}\times\dfrac{2}{3}+\dfrac{1}{6}\times\dfrac{2}{3}=\dfrac{4}{9}$である。

2015年第7問

(2)

$\cos\angle\mathrm{OCB}=\dfrac{\sqrt3}{4}$から、$\mathrm{CN}=2\sqrt3 \cos\angle\mathrm{OCB}=\dfrac{3}{2}$である。

よって、求める比は、$\mathrm{ON}:\mathrm{NC}=5:3$である。

(2)

$\triangle\rm{ABC}$の重心を$\rm{G}$とすると、$\rm{CG}=2$である。したがって、$\triangle\rm{OCG}$は、$\angle\rm{OCG}=60^\circ$の直角三角形である。

(3)

辺ABの中点をLとする。

点Nから平面OABに下ろした垂線の足をHとする。平面OAB上で、Hを通りABに平行な直線とOA、OBとの交点をそれぞれI、Jとする。

$\mathrm{OI}:\mathrm{OJ}=\mathrm{OA}:\mathrm{OB}=1:1$である。よって、$\triangle\mathrm{ONI}\equiv \triangle\mathrm{ONJ}$から、$\mathrm{NI}=\mathrm{NJ}$である。

また、$\mathrm{NH}\perp \mathrm{IJ}$である。

よって、点Hは線分IJの中点であり、直線OHは直線OLに一致する。

ON$\perp$NLであるから、次の式が成り立つ。\[\begin{aligned} \cos\angle\mathrm{NOL}=&\dfrac{5}{2}\times\dfrac{1}{\sqrt{13}}=\frac{5}{2\sqrt{13}}\\ \sin\angle\mathrm{NOL}=&\sqrt{1-\cos^2\angle\mathrm{NOL}} \\ =&\frac{3\sqrt{3}}{2\sqrt{13}}\\ \end{aligned}\]

よって、求める距離は、$\mathrm{ON}\sin\angle\mathrm{NOL}=\dfrac{15\sqrt{39}}{52}$である。