目次
読者として想定している人
次の項目をすべて満たす中学生へ、大学入試に向けて高校数学を勉強する方法を詳しく説明します。
- この文章を自分で読んでいる。
- 学校・塾・病院・薬局のほかに、身の回りに大卒者がいない。
- お年玉をもらったとしても、学費や生活費のために、保護者にすべて渡してきた。
- 社宅でない賃貸住宅で、家賃4万円/月以下のものに住んでいる、または住んでいた。公営住宅も含む。
- 保護者は、参考書を選ばないが、「欲しい参考書がある」と言うとほぼ反対することなく参考書代を出す。
- 中高数学の参考書を30種類以上扱う書店に自由に行ける。
- 中高一貫でない公立中学校に在籍している。
- 学校の実力テストでは、国数英理社の学年順位がすべて9位以上である。
- 定期試験(50分)では、国数英理社のそれぞれで、時間が20分以上余る。
- 学校や塾から渡された数学の問題集をすぐに解き終えてしまう。
- 『最高水準問題集 特進』(Amazon)や『ハイクラス徹底問題集』(Amazon)などを1人で解いている。
- 説明は、口頭より文字による方が分かりやすい。
- 重いヤングケアラー(こども家庭庁)・継続的な家庭内暴力(こども家庭庁)などの問題がなく、家で十分に勉強することができる。
- 軽いヤングケアラーの例:週または月に何回か精神的に不安定な親権者の機嫌をとることで、家庭内暴力などの問題を防ぐことができる。
- 継続的でない家庭内暴力の例:数か月に1回くらい親権者が家の中で陶磁器の皿を投げるが、その期間外には安全である。
あなたは、3年後、私よりも高校数学ができるようになっているかもしれません。そのため、私の意見が役に立つかは、分かりません。ここでは、「親族」の財力、周囲の大人や周囲の中学生の学力にあまり頼らずに高校数学を勉強する方法を書いています。
なお、点線の四角で囲まれた部分は、ほとんど読み飛ばせるように書いたはずです。
中学生は高校数学を勉強してもよい
能力に応じてひとしく教育を受ける権利
日本国憲法第26条第1項(e-Gov法令検索)には、次のように書かれています。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
また、中高一貫校には、中学生に高校数学を教えるものがあります。そのような学校に通っている中学生の中には、あなたほどは数学ができない人がいます。また、そのような学校に通った大人の中には、あなたほどは数学ができなかった人もいます。
日本国内には、あなたほどは数学ができなくても、中学生のうちに高校数学を勉強している人や勉強した人がいます。なおさら、あなたも、中学生のうちに高校数学を勉強してもよいということになります。
あなたの地位、その中学生の地位・その大人が子どもだったときの地位との間には、次のような点で違いがあるかもしれません。
- 居住地
- 居住地の高校生の大学進学率
- 居住地の大卒者率
- 社会的身分
- 「親族」の学歴と学力
- 「親族」に大卒者がいるか
- 「親族」の語彙力と文章力
- 「子」が「親」よりも学校の勉強ができるのは当たり前だと思っているか
- 「親族」の財力・「子」「孫」という地位から得られる収入の額
- お年玉・入学祝い・卒業祝いの金額
- 自分の金融資産(銀行預金・株式・債券・投資信託)の額
- 「親族」が負担した私的な教育費の額
- 「親」が不動産を買う際に他の「親族」が出した金額
- 「祖父母」が死んだ際に「親」か自分が相続するであろう(した)遺産の額
- 「親」が死んだ際に自分が相続するであろう(した)遺産の額
- 湿潤療法の絆創膏(Amazon)を日常的に使ってきたか
- 日本国外に行ったことがあるか
- 自分が5万円を大金だと思っているか
- 「親族」の学歴と学力
このような居住地や社会的身分の違いは、あなたが高校数学を勉強してよいかどうかとは、全く関係がありません。
他人を対象とする授業
中学数学の文章は、通常、読めば分かるように書かれています。しかし、あなたが通う中学校や塾の先生、映像授業の先生は、数学の授業時間の大部分を使って、教科書と参考書に書いてあることや文字にして渡せば済むことを口頭で説明なさっているかもしれません。
その理由の1つは、多くの中学生が中学数学の文章を読むことができないからです。読める人にとっては読むだけで済む内容でも、読めない人にとっては、時間をかけて他人に口頭で説明される必要があります。
もし中学数学の文章を読むことができるなら、読めない他人を対象とする授業に合わせて勉強するにつれて、数学の勉強をさらに進める機会を日に日に失っていくことになります。
例えば、中学1年生が8月までに中1数学の教科書と学校用問題集を終えたとします。もし学校の授業に合わせるなら、その後の9月から翌年3月まで7か月も待たなければなりません。その3年分21か月は、高校数学の基本的なことをゆっくりと一通り勉強するのに十分な期間です。
そのため、学校や塾の授業に合わせて勉強することに意味が無いとまでは言わないにしても、さすがに、授業が自分に追いつくのを待つべきだとは言えません。
中学生が高校数学を勉強する目的
高校での成績を上げるため
中学数学では、文章の読み書きがそれほど重くは評価されません。
実際、中学数学の解答用紙には、地域差があるにしても全体的に見ると、答(数・数式)だけを書く小さい解答欄が多いと思います。大きい解答欄がある問題は、作図・方程式の文章題・図形の証明などに限られています。そして、文章題の解き方や図形の証明のやり方も、型が決まっているはずです。
他方、高校数学では、文章の読み書きが決定的に重要になります。
東京大学と京都大学は、学部入試の受験者に対して次のように書いています。
数学的に問題を解くことは、単に数式を用い、計算をして解答にたどり着くことではありません。どのような考え方に沿って問題を解決したかを、数学的に正しい表現を用いて論理的に説明することです。入学試験においても、自分の考えた道筋を他者が明確に理解できるように「数学的に表現する力」が重要視されます。普段の学習では、解答を導くだけでなく、解答に至る道筋を論理的かつ簡潔に表現する訓練を十分に積んでください。
東京大学高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと(参照2025年4月30日)
(前略)
具体的には、計算問題であっても、単に計算結果だけではなく、その過程や背後の論理性を評価するような出題を心掛けています。また、論理を問う問題では直観、類推、帰納、演繹等の数学的考察を正確な数学的表現力で記述する能力を評価できるような出題を心掛けています。数学の問題ではいわゆる「正解」に至ることは大切ですが、「正解に至る論理的に正しい過程」も正解と同様に大切です。
京都大学学力検査の出題方針について(参照2025年4月30日)
ふりがなは私が振りました。
実際、高校数学の解答用紙の典型的なものは、受験者に文章や図を書(描)かせるために、大部分が大きい解答欄でできています。例えば、次の大学の入試数学の解答用紙は、解答欄が大きい白紙になっています。
そのため、『最高水準問題集 特進』や『ハイクラス徹底問題集』などの解説を1人で読んできたなら、中学数学よりも高校数学で高く評価されやすいはずです。例えば、次のようなことが起こります。
- 高校数学の定期試験では、試験範囲すら知らなくても、試験勉強をした他人より点数が取れる。
- 勉強のやり方を変えていないのに、高校数学の模擬試験の県(道)内順位が中学数学よりも明らかに上がる。
- 式変形の方法の名前(例:「平方完成」「三角関数の合成」「特性方程式」)を気にしなくても、問題が解ける。
- 高校数学の単元名(例:「2次関数」「三角関数」「数列」)を気にしなくても、問題が解ける。融合問題を融合問題だと感じない。
『最高水準問題集 特進』や『ハイクラス徹底問題集』の一方を3年分解くなど、中学数学を十分に勉強したなら、中学数学にこだわるよりも高校数学を勉強する方が高校での成績を上げやすいと思います。
大学受験の資金を調達するため
あなたが大学入試を受けるためには、誰かが次のような費用を負担することが必要です。
- 受験料
- 交通費
- 宿泊費
- 入学金
これらの費用を負担する人は、次の2つについて、あなたの意見を否定することができます。
- 大学入試を受けるかどうか。
- 大学入試を受けるとして、どの大学に出願するか。
生まれた地域や社会的身分によっては、模擬試験で志望大学の合格見込みがずっとD判定であっても、「親族」が敢えて受験費用を負担してくれることがあります。他方、大学進学が当たり前ではない地域や社会的身分に生まれたなら、模擬試験でC判定を取り続けていると、志望大学の入試会場に行くことすらできないかもしれません。
もちろん、資金調達のために、パートタイム労働(アルバイト)をするということも考えられます。しかし、県(道)内で入試が難しいとされる高校では、各生徒の「親」の収入が他校より多いという傾向があります。本2そのため、労働して賃金を得ている生徒はあまりいません。また、高校の先生は、そのような生徒を想定していないかもしれません。
大学受験について資金を調達するためにも、中学数学を十分に勉強したなら、早めに高校数学の勉強を始めた方がよいと思います。
なお、受験費用に関しては、これまであまり注目されてきませんでした。
- 大学受験や模擬試験にかかる費用補助(こども家庭庁2024~)
- ひとり親家庭等への大学受験料等補助(名古屋市)
- 受験生チャレンジ支援貸付事業(東京都)
- 認定NPO法人キッズドア基金
大学受験の費用を減らすため
私立大学の中には、「共通テスト利用入試」を行うものが多くあります。この入試方式では、大学に出願して、共通テストを受けるだけで、受験を済ませることができます。
「共通テスト利用入試」を行う大学の例を下に挙げます。
この入試方式では、受験料が安く、試験会場に行くための交通費や宿泊費もかかりません。また、この入試に合格すれば、各大学の入試の過去問を用意する必要もありません。
大学受験について費用を減らすためにも、中学数学を十分に勉強したなら、早めに高校数学の勉強を始めた方がよいと思います。
学習の負担を分散させるため
高校に入学してから1年以内に文系数学(Ⅰ・Ⅱ・A・BとCの一部/後述)を一通り終えるのは、人によりますが、大変なはずです。
学力によっては、次のようなことをしなければなりません。
- 学校の休み時間を勉強に充てること。
- 学校の授業中に自習すること。
- 土日祝日に家庭学習の時間を確保すること。
2番目について、高校の数学の授業は、高校によるかもしれませんが、1年で文系数学を終えるようにはなっていません。そのため、3年間、数学の授業中に自習をすることになります。他方、先生によっては、授業中の自習をやめるようにおっしゃるかもしれません。この場合、最長で3年間弱、自分より社会的地位が高い他人が自習をやめるようにおっしゃるのを聞き流しながら、自習を続けることになります。このことは、人によっては、社会的ストレス源になるかもしれません。
中学生の間に高校数学を始めておけば、後の負担が軽くなります。
数学の勉強を1人で勝手に進める
おそらく、次に挙げるような他人を除くと、大体の他人は、数学の学習環境を今よりもあなたに合うようにするためには、積極的に行動してくれません。
- 数学の本の著者
- 数学の出版社の人
- 数学の本を運ぶ運輸業者(例:トラック運転手)
- 数学の本を売る小売業者(例:書店員)
- 数学の本の費用を負担する保護者
また、居住地や社会的身分によっては、高校数学を勉強するための行動の型があります。あなたの居住地や社会的身分には、おそらく、そのような行動の型がありません。
もしあなたが自分に合った速さで数学を勉強しようとするなら、身の回りで誰もやっていないことを1人で勝手に始めるしかありません。
参考書ルート「最高水準またはハイクラス徹底→網羅型→過去問」
この文章では、中学数学・高校数学を勉強する間、それぞれの時期で中心となる教科書や参考書を次のように想定しています。
| 中学数学 | |
|---|---|
| ①は同時進行。②は高校数学開始後の適切な時期。 | |
| ① | 教科書3年分の練習問題、節末・章末・巻末問題を勝手にすべて解く。
|
学校指定問題集(またはそれに相当するもの)の3年分を勝手にすべて解く。
| |
市販の問題集(『最高水準問題集 特進』や『ハイクラス徹底問題集』など)のいずれかの3年分を一通り解く。 | |
| ② | 公立高校入試が近付いてきたら、入試の過去問を解く。解説付きの過去問集は、書店で売っています。
|
| 高校数学 | |
| ① | 教科書と「網羅型の参考書」を勝手に解く。
|
| ② | 高校数学の本がたくさん置いてある書店で良い感じの問題集を自分で探して、勝手に解く。この時期になると、問題集が良い感じかどうか自分で判断できると思います。 |
| ③ |
旧帝国大学(Wikipedia)・一橋大・東京科学大などの入試過去問を志望大学・学部に応じて解く。
東大や京大の過去問が大量に置いてあるサイトもあります。 |
高校数学を勉強し始める前は、「上級問題精講」「25カ年」など恐ろしい言葉が並んでいるように見えるかもしれません。しかし、高校数学を始めてみると、自分が思っていたよりはできると思います。
高校数学の課程
高校数学は6種類ある
高校数学は、6つ(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C)に分かれています。最初に勉強するのは、ⅠとAです。
数学Ⅰと数学Aのうち、どちらかと言えば、数学Ⅰを優先的に勉強するとよいと思います。数学Ⅰと数学Aには、共に図形の単元があります。数学Ⅰの図形と数学Aの図形のどちらを先に勉強するかは、気にしなくても大丈夫です。
学習指導要領(文部科学省)には、次のように書かれています。
指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(略)
(2)「数学Ⅱ」,「数学Ⅲ」を履修させる場合は,「数学Ⅰ」,「数学Ⅱ」,「数学Ⅲ」の順に履修させることを原則とすること。
(3)「数学A」については,「数学Ⅰ」と並行してあるいは「数学Ⅰ」を履修した後に履修させ,「数学B」及び「数学C」については,「数学Ⅰ」を履修した後に履修させることを原則とすること。
ふりがなは私が振りました。
なお、学習指導要領には、数学Ⅱと数学Aの先後が書かれていません。数学Ⅱの最初の方で勉強する「二項定理」では、数学A「場合の数」の方法を使います。また、数学Ⅱの単元「図形と方程式」では、数学Aの単元「図形の性質」の用語を使います。そのため、数学Ⅱを始めるより先に、数学Aを終わらせた方がよいと思います。
高校数学は「理系科目」
高校数学には、次のような特徴があります。
- 理科(物理・化学・生物・地学)のような実験をしない。
- 記号や図の読み書きが中心である。
そのため、高校数学を勉強すると、高校数学は現代文の一種であるから「文系科目」だと思うかもしれません。
実際には、おそらく教育政策上の理由から、特に数学Ⅲを中心に「理系科目」とみなされるようです。
高校数学の教科書と参考書の選び方と買い方
高校数学の本を選ぶ際の基本的な態度
次の2つは、共に大切です。
- 内容が正しく分かりやすい本を選ぶこと
- 読めないときに著者ではなく自分を責めること
高校数学の教科書
- 「数学シリーズ」(教科書出版社「数研出版」の教科書紹介ページ)
- 教科書定価表(一般社団法人教科書協会のサイト)
- 広島県教科用図書販売株式会社(教科書を通信販売するサイト)
教科書は、書店で取り寄せてもらえます。知らない人と話すのは緊張するかもしれませんが、中学生が書店の店員さんに教科書のウェブサイトを見せて、「この数学Ⅰと数学Aの教科書が欲しいです」とだけ言えば、大体の場合、取り寄せの対応をしてくれます。
教科書を使わない人もたくさんいます。私も、教科書を使いませんでした。それが良いのか悪いのかは、私には分かりません。この文章は、高校数学について頼れる大人が身の回りにあまりいない人のために書いてあります。教科書を挙げたのは、標準的な勉強方法から外れないようにするためです。
高校数学の問題集
高校数学には、重要な問題を一通り解説している問題集があります。このような問題集は、「網羅」と「参考書」「問題集」を組み合わせて、色々な呼び方をするようです。
高校の中には、これを中心に授業や定期試験を行うものもあります。
「網羅型の参考書」の代表は、「チャート式」です。内容の難しさによって、色分けされています。難しい方から順に、次のように呼ばれています。
「チャート式」の中で標準とされるのは、「青チャート」のようです。
- 青チャートI+A(Amazon)
- 青チャートⅡ+B(Amazon)
- 青チャートIII+C(Amazon)
「青チャート」最新版の表紙は、ビルが5棟あって、窓が照明で光っている画像になっています。それ以外は、100周年記念版を除き、旧版です。
また、次のような問題集もあります。
- NEW ACTION LEGEND
- Focus Gold
- 数学Ⅰ+A 6th Edition(啓林館公式サイト)
- 数学Ⅱ(啓林館公式サイト)
- 数学Ⅲ(啓林館公式サイト)
- 数学B+C(啓林館公式サイト)
書店で立ち読みができるなら、数学Ⅰ+Aの問題集の第1章をざっと読み比べて、内容や紙質が気に入ったものにしましょう。
どの問題集も、中学数学の問題集と比べて、分厚く、重さもあります。書店に自転車で行って買うなら、帰り道に問題集を安全に運べるようにしなければなりません。書店でビニール袋に入れてもらうなら、さらに数円かかります。
- 天気予報(日本気象協会)
「青チャート」の難しさ
統計を見ないと分かりませんが、おそらく、「青チャート」の難しい方の問題の解説は、大多数の高校生が読めません。
そのため、自分で読める人は、高校数学について、数学オリンピックに出場する人よりも比較にならないくらい劣っていたとしても、同世代の高校生の中では相対的に得意だと言ってよいと思います。
『最高水準問題集 特進』や『ハイクラス徹底問題集』などを1人で読んできたなら、「青チャート」も抵抗なく読めると思います。
武器
上に挙げた「網羅型の参考書」は、重く、角も固いので、武器として使えます。
家で他人があなたを殴ったり、勉強や習い事の道具を不適切に投げたりしたことがある場合、安全のため、より薄くて軽い問題集も検討します。
次のような問題集もあります。
- 問題精講シリーズ
- 数学Ⅰ・A 入門問題精講(Amazon)
- 数学Ⅰ・A 基礎問題精講(Amazon)
どちらか一方
教科書か問題集のどちらか一方だけ手に入るという場合には、問題集を優先してください。
高校数学の問題集の費用対効果
高校数学の問題集には、読める人にとって、大きな費用対効果があります。
「青チャートI+A」の値段は、新品で2,255円です。
これには、問題が500種類以上入っています。それぞれに解説がついています。問題と解説の1組あたり5円もかかりません。
また、外食をすると、1人1回につき800円くらいはかかると思います。外食3回分の料金だけで、高校数学6つのうち2つも勉強することができます。
高校数学の本を買うために資金を調達する方法
高校数学の教科書や参考書を譲ってもらう
高校生の中には、大学入試を受けない人、受けるとしても数学の試験を受けない人がたくさんいます。もし知人の中にそのような高校3年生がいるなら、高校数学の教科書や問題集を譲ってもらえるかもしれません。
なお、教科書や問題集を譲ってもらえるとしても、内容が自分に合うとは限りません。
クレジットカードは不要
通信販売業者(Amazon・楽天など)から参考書を買うために、クレジットカードは必要ではありません。
- お支払い方法(Amazon)
- 支払い・決済方法について(楽天市場)
そのため、次のような場合、他の支払い方法にしましょう。
- 保護者がクレジットカードを持っていない。
- 保護者がクレジットカードを通信販売のウェブサイトに登録することに反対している。
保護者を説得する
中学生が教科書や問題集を買うためには、資金調達が必要です。
次のような場合、中高一貫でない公立中学校の学生でも、比較的、高校数学の教科書や参考書を手に入れやすいはずです。
- お年玉を自分で使うことができる。
- 保護者は、経済的に豊かである。
- 保護者は、高校数学ができる。
- 保護者は、中学生の頃に大学に進学したいと思っていたが、経済的理由で18歳で就職した。
他方、自分で使える貯金が無く、保護者が動きそうにない場合、仮に正攻法でやるなら、保護者を説得しなければなりません。
高校数学の勉強を否定される理由
あなたが高校数学を勉強することについて、保護者が否定的になるかもしれません。その理由としては、次のようなことが考えられます。
- 中学数学が難しく感じるからです。あなたは、風邪をひいて体温が38℃以上になったとしても、模擬試験を受ければ数学で上位20%に入ると思います。しかし、中学数学が難しく感じる人は、自分と他人の区別がつかない場合、あなたにとっても中学数学が難しいはずだと思い込んでしまいます。
- 中学数学や高校数学について、各問題の解き方が教科書や問題集に書いてあるとしても、それを読んで勉強することはできないと思っているからです。自分と他人の区別がつかない場合、あなたも教科書や問題集を読んで勉強できるはずがないと思い込んでしまいます。
- 中学数学について、あなたが普通の中学生よりも得意であると分からないからです。県(道)内の模擬試験で数学の点数があなたより高い中学生も、あなたが日常的に解いている問題を解くことができるとは限りません。しかし、大人は、自分が中学数学や高校数学をあまり勉強したことがなければ、試験の点数・偏差値・順位でしあなたの学力を評価することができません。
- 中学生は、数学以外の科目も勉強しなければならないからです。他の科目の成績も含めて総合的に考えたときに、高校数学を勉強することを禁止されるかもしれません。
身の回りの大人
資金調達のために高校数学を勉強することに賛成してくれる人が必要となる場合、身の回りから高校数学ができる人を探します。次のようなことを調べます。
- 「親族」には、高校数学ができる人がいるか。
- 高校数学全体でなくても、仕事で三角比(サイン・コサイン・タンジェント)を使っている人がいるか。
- 中学校の先生(数学・理科)は、高校数学ができるか。
- 高校生の知人の中で、進学校に通い、数学の校内順位が1桁の人がいるか。
「親族」に高校数学ができる人がいれば、自分が高校数学を勉強することに賛成してくれるかもしれません。
中学校の数学・理科の先生も、高校や大学で数学を勉強なさっています。数学が得意な中学生のために、保護者と話してくれるかもしれません。
必要があれば、かかりつけの小児科医に頼ることも検討します。
高校数学の具体的な勉強方法
計算練習
あなたは、中学受験をした人よりも、計算が遅く不正確なはずです。計算練習をしましょう。
もちろん、このプリントだけでは、追いつきません。
また、人によるかもしれませんが、平方根の約分や通分をできるようにしておくと、楽かもしれません。
平方根の約分
教科書(東京書籍『新しい数学3』p.55)には、$\dfrac{3}{\sqrt3}$を次のように計算するように書いてあります。$$\dfrac{3}{\sqrt3}=\dfrac{3\times \sqrt3}{\sqrt3\times \sqrt3}=\dfrac{3\sqrt3}{3}=\sqrt3$$
これはこれでよいのですが、そのまま約分する方が楽です。
$3=(\sqrt3)^2=\sqrt9$です。$(\sqrt3)^2$でも$\sqrt9$でも、約分すると、$\dfrac{3}{\sqrt3}=\sqrt3$となります。
次の分数も、同じように約分できます。
- $\dfrac{2\sqrt3}{\sqrt6}=\sqrt2$
- $\dfrac{10}{\sqrt2}=5\sqrt2$
- $\dfrac{(3+\sqrt{6})^2}{3}=(\sqrt3+\sqrt2)^2=5+2\sqrt6$
- $\dfrac{\sqrt{10}-\sqrt2}{\sqrt5-1}=\dfrac{\sqrt2(\sqrt5-1)}{\sqrt5-1}=\sqrt2$
いわゆる「分母の有理化」をしてはならないということではありません。「分母の有理化」か約分か、楽な方でよいということです。
平方根の通分
通分も、分母を有理化しなくても構いません。
- $\sqrt3+\dfrac{1}{\sqrt3}=\dfrac{3+1}{\sqrt3}=\dfrac{4}{\sqrt3}$
高校数学の勉強に必要な物
- 紙かノート(A4かB5)
- シャープペンや鉛筆
- 消しゴム
- 教科書や問題集
図を描く際、定規やコンパスを使う必要はありません。むしろ、定規やコンパスを使わずに見やすい図を描けるようになることも大切です。
紙やノートは、ある程度の大きさがあれば、本当に何でも構いません。ただ、一番楽なのは、A4やB5のコピー用紙だと思います。
- コピー用紙A4(Amazon)
コピー用紙は、ホームセンター・文房具店で売っています。ドラッグストアでも売っている可能性があります。
ホームセンターというのは、例えば、次のような店です。
コピー用紙のうち1枚あたりの価格の安いものは、通常、500枚単位に包装されて売られています。50枚・100枚単位など小分けにしているものもあります。自転車でホームセンターなどに行って買うなら、コピー用紙を安全に運べるようにしなければなりません。
人によっては、自分が解いた紙を保管するそうです。しかし、高校数学の証明や解法のうち主なものは、教科書や問題集にほぼすべて書いてあります。そのため、その紙を保管しておいても、見直すのは教科書や問題集になりがちです。高校数学を始めてしばらく保管した後、不要だと判断した場合には、その紙を捨てても構いません。
数学の本を読む・再現する
色々な意見を見るはずですが、少なくとも建前としては、高校数学の教科書や参考書も、順序に従って読めば分かることになっているようです。
各単元の最初では、基本事項を身につけることが大切です。証明の流れ・定理など基本事項を読んでから、とりあえず最初の方の問題を解き、解説と見比べて、自分の認識が合っているか確認します。
解答冊子の置き方
人によるかもしれませんが、頻繁に問題集の解答冊子を読むことになるはずです。
解答冊子を読み終える度に閉じて再び開くのは、面倒です。そのため、自分が解いている問題の解答をすぐに開けるようにしておくことが大切です。高校数学の解答冊子は、中学数学の解答冊子よりも厚いです。工夫しましょう。
色々やり方があると思いますが、私は次のようにしていました。
- 解答冊子を開いたまま伏せる。
- 解答冊子にペン・定規・レシートなどの物体を挟んでおく。
「本を開いたまま伏せると、本が傷む」という方もいらっしゃいます。しかし、自分が所有する問題集については、そのようなことを気にしなくても構いません。
初心者向けの答案の書き方
答案は、基本的に、紙・ノートに左上から横書きで書いていきます。
A4の紙を使う場合、答案を書くのに慣れてきたら、紙の短辺の中点を線分で結んで、2等分するとよいと思います。
計算過程
計算過程について、中学数学では、問題用紙の余白などに、その時その場で分かるように書くと思います。他方、高校数学では、解答用紙に、後で読んでも分かるように書きます。
まずは、長い式を改行しながら書いていくことに慣れるとよいと思います。
次のような短い計算であれば、1行で済ませてよいと思います。
$$x^2-2x-3=(x-3)(x+1)$$他方、次のような長い計算では、1行で済ませるのではなく、等号の直前で改行した方が読みやすいのではないかと思います。
問題番号
(1)や(2)などの小問番号は、自分で書きます。
(1)の問題文によらず大問の問題文から分かるようなことは、(1)の前(大問番号と(1)の間)に「前文」として書いても構いません。
問3 $x$に関する2次方程式$x^2+ax+a=0$について、次のそれぞれで定数$a$の値の範囲を求めよ。
(1)異なる2つの実数解を持つ。
(2)実数解を持たない。
この問題では、(1)も(2)も同じ式を使います。次のように答えても構いません。
問3
この方程式の判別式は、$a^2-4a=a(a-4)$である。
(1)$a(a-4)>0$から、求める範囲は$a<0$、$4\lt a$。
(2)$a(a-4)<0$から、求める範囲は$0\lt a\lt 4$。
この解答例では、「この方程式の判別式は、$a^2-4a=a(a-4)$である。」が「前文」です。
もちろん、「前文」にしなくても構いません。
なお、問題を解く順番も自由です。実際、数学B「数列」の問題の中には、(1)より先に(2)を解いた方が楽なものもあります。
「与式」という指示語
「与式」という指示語は、問題文で特定されている数式を指します。この語を使う理由は、問題文の式を書き写すのが面倒だからです。
この語は、自分で答案を書くときにも使うことができます。
次の式を因数分解しなさい。$$x^2-2x-3$$
この問題では、「与式」は$x^2-2x-3$を指します。
同じ問題に式が2つ以上ある場合、「与式」と書いてもどれを指しているか分かりません。その場合には、「第1式」「与式の前者」など適当な日本語を使って指すか、式を書き写します。
下の問題の場合、(2)に答える中で「与式」と書けば、$x^2-2x-8$を指すことになります。
次の式を因数分解しなさい。
(1) $x^2-2x-3$
(2) $x^2-2x-8$
$f(x)$
$f(x)$、$g(x)$、$h(x)$などは、$x$を主役とする関数です。
例えば、「$f(x)=5x-4$とする。」と書くと、$x$を主役とする関数$5x-4$に$f$という名前を付けたことになります。
$f(3)$は、$f(x)$の$x$に3を代入したものを意味します。例えば、$f(x)=5x-4$の場合、$$f(3)=5\times 3-4=11$$です。
この書き方の利点としては、差し当たり、次のようなことが挙げられます。
- 関数が複数個あるときに、特定の関数だけを指しやすくなる。
- 「$x=5$のとき」と書かなくとも、$f(5)$と書けば$5$を代入したことが分かる。
自分で「$g(x)=2x^2+3x+4$とする。」などと定めることもできます。どの記号を使うか、こだわる必要はありません。
主役の文字が2つ以上あるときには、$$f(x,y)=x^2+y^2-2x-4y$$などと書きます。この場合は、$f(1,2)=-5$となります。
高校数学の解説
必要ないと思いますが、下に挙げたページは、高校数学について私が書いたものです。
- 数学Ⅰ
- 数学Ⅱ
- 数学B
- 数学Ⅲ
参考にした本
- 『詳説世界史研究』山川出版社(2017年) pp.309-310
- 松岡亮二(2019)『教育格差』ちくま新書 第5章
参考にしたウェブサイト
- DEFINING FIRST-GENERATION(FirstGen Forward)
- FirstGen(University of California)
- 大隅良典記念奨学金に「ファーストジェネレーション枠」を創設(旧東京工業大学)
- 小学校で習う漢字 チェックツール(オレンジ工房 ORANGE-FACTORY)
- Martin Luther King, Jr., 1963, I Have a Dream.(American Rhetoric)“creed”とページ内検索